金属エッチング装置
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金属エッチングとは
金属製品を対象として、エッチング液による溶解によって表面を加工する技術のことです。対象となる金属によって、エッチング液の組成、温度、処理時間などを決定します。
エッチング対象の金属としては、主にアルミ、チタン、ステンレス、銅が挙げられます。
金属エッチングの目的と方法
金属エッチングは金属製品への様々なパターン形成を目的としており、マスキングによって被覆保護された対象物をエッチング液にて加工する事で目的のパターンを得ます。
金属エッチングの工程
金属エッチング工程は主に下記の6工程に分かれます。
1.原版作成工程
目的のパターンをCADなどの専用ソフトを用いて、原版を作成します。
2.前処理工程(脱脂洗浄)
金属材料表面に付着している油や汚れを除去しレジストの密着度をよくする工程です。
金属表面に汚れが残っていると最終仕上がりの品質に影響を与えるため、この工程できちんと汚れが洗浄されていることが重要になります。
3.レジスト工程
金属表面にレジスト(保護膜)を均一に付着させます。
レジストが均一に塗布されていないとエッチング時に余分な部分までエッチングされてしまうので、均一に塗布されていることが重要になります。
4.露光工程
露光処理を行うことで、目的のパターンを転写します。精密なパターン露光を行うために、専用のクリーンルーム内で処理される事が多いです。
5.現像工程
現像処理を行うことで、不要なレジスト部分を除去し、エッチングしたい金属表面を露出させます。
現像処理によりきちんと不要なレジスト部分が除去されていないと、エッチング残りが発生し製品の品質・性能に影響します。
6.エッチング工程
レジスト被膜に覆われていない金属部分をエッチング処理することで目的のパターンに加工します。
適切なエッチング液、温度管理が大切となります。以下が重要なファクターとなります。
- エッチング液組成
- 液温
- 処理時間
- スプレー流量
- スプレー圧力
- スプレー噴霧角度
- スプレー噴霧分布
- 液管理システム
7.剥離工程
エッチング処理後、製品上の残ったレジスト被膜の除去を行います。
8.後処理工程
最終、製品を洗浄し目的のパターンを得られているか寸法測定、表面検査を行います。
金属エッチングのメリット
金属エッチング加工を行うことのメリットは、
・バリや歪みのない高精度の加工ができること。
・短納期での加工ができること。
・プレス加工では難しい複雑形状の加工ができること。
・複数同時処理が出来ること。
が挙げられます。
NSCの金属エッチング装置の強み
当社の金属エッチング装置では、薄板から2mm厚板まで、加工寸法精度とエッジの立ったテーパー形状に大きな優位性があります。
お客様のワーク材質、エッチング液に合わせて装置の設計・製作が可能です。
NSCの枚葉式金属エッチング装置
枚葉式金属エッチング装置の仕様例
項目
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製作実績
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ワーク材質 |
ステンレス、アルミ、銅、チタン等
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ワーク厚み |
0.05~2.0mm
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ワークサイズ |
W=1160mm以下(両面処理)
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主となる薬品 |
塩化第二鉄
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標準納期 |
約4ヶ月
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安全対策 |
各所インターロック
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運転方法 |
自動運転
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制御方法 |
PLC制御
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規格 |
JIS、JEC、JEM規格
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枚葉式金属エッチング装置の特徴
パターニングされた金属基板を寝かせた状態で水平に搬送する枚葉方式によって基板表面をエッチングを行うことが出来ます。
薬液濃度管理システム付き。液濃度管理を細やかに行うことで、良好な寸法精度でのエッチングを行うことが出来ます。
小型金属エッチング装置
小型金属エッチング装置の仕様例
項目
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製作実績
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ワーク材質 | ステンレス、アルミ、銅、チタン等 |
ワーク厚み |
0.1~0.5mm
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ワークサイズ |
L=100mm、W=700mm以下
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主となる薬品 | 塩化第二鉄 |
標準納期 |
約3ヶ月
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安全対策 |
各所インターロック
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運転方法 |
半自動運転
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制御方法 |
PLC制御
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規格 |
JIS規格
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小型金属エッチング装置の特徴
装置を小型に設計することで、限られたスペースに設置が可能です。
また金属表面に配線パターニングされたワークを良好な寸法精度でエッチングを行うことが可能になります。